博物館の見どころ:

 

19986月、フィリピン革命百周年記念式典の一画として、国立博物館の新たなギャラリーがオープンした。これまでも国立博物館は、アメリカ植民地期に建てられた旧国会議事堂の建物(本来、博物館を目的として建てられたものだったが)の2、3階に鉱物、動・植物、民族、考古、建築、美術、天文など、フィリピンの自然・歴史・文化全般にわたる資料を展示してきた。しかしフィリピン独立革命百周年(1998)を期に、リサール公園の北端に位置する旧大蔵省の建物を全面改装して、新たに考古と民族の展示を中心に据えた『フィリピン人博物館(The Museum of the Filipino People)』を開館した。

 新たな博物館へリサール公園に面した中央入口から入ると、そこは3階建ての博物館の2階にあたる。この階にはフィリピンにおける水中考古学の最近の成果が3つのギャラリーに展示されており、そのうち2つは、オランダとの海戦で沈められたサンディエゴ(San Diego)号というスペイン船から引き上げられた遺物が展示されている。